グルーヴ感

帰り道、少し休憩を取るために繁華街のスターバックスに入った。隣の席には女子高生がふたり向かいあって座っている。試験勉強をしているのだろうか。机の上には教科書やノート、色とりどりの筆記用具、不二家のカントリーマアムが置かれている。

長い時間なにかに集中していると糖分が欲しくなるのはとても理解できる。持ち込みの不二家のカントリーマアムを僕は見て見ぬ振りをした。

ふたりは集中力がない。三十秒置きくらいの周期で「しんどい」「だるい」「やばい」を発している。どちらかが「しんどい」と言うと、すぐにコールアンドレスポンスのような形で、もう一方から「だるい」が出てくる。

あまりにも一定の周期で繰り返されるので、少しずつグルーヴ感が出てきた。僕の耳は完全に待つ態勢になっている。「やばい」次に来るかな?「だるい」そろそろかな?「しんどい」まだかな?