理想と現実

今回のレコーディング期間を機に、朝型の生活に変えてみようと思った。朝のほうが頭も冴えるような気がするし、何より健康的な生活を送れそうだ。コピー用紙の裏に「理想の時間割」を書いて、壁に貼ってみた。

午前六時に起床・朝ごはん。七時〜十二時まで作業。昼食・シエスタを挟み、散歩に出かけて買い物を済ませる。午後三時〜八時まで録音。一日のノルマを終え、夕食の後は体を柔らかくする体操をして十一時に就寝、と書いてある。

ふと時計を見たら午前三時。予定では寝ていなければいけない時間だ。完全に起きている。静寂に包まれた深夜、誰の邪魔も入らない。めちゃくちゃ集中できる。深夜最高!

僕はここ数年間、ずっと夜型だったのだ。体も相変わらず固いままだ。二十代の頃から比べると遥かに器用になったつもりでいた。生活スタイルを変えることなんて容易いと、さっきまで本気で思っていた。壁に貼られた「理想の時間割」をいま剥がそうとしている。

しばらくの間は、録音専門の三浦と、生活費を稼ぐ三浦、炊事洗濯・メール返信の三浦がほしい。 もう少し器用にできるようになるまでは、三種の三浦が必要だ。同じようなことを十年経っても、きっと考えてしまうのだろう。