弾き語り独演会2daysの話

下北沢 lete

朝起きたら謎の右肘痛。腕が上がらず2日間のライブを前にかなり焦る。慌てて休日も空いている近くの診療所へ。受付の人も、看護師さんも、医者も目を見るなり「それは、カラーコンタクトですか?」と聞いてくる。「ちゃいます、これは元々の色です」というやりとりを何度も繰り返す。

僕は生まれつき目の色素が薄い。外国の血が混ざっている訳でもない。子供の頃から毎日のように質問されるので、聞かれることに対しては完全に慣れていて、嫌だなと思ったことは一度もない。むしろ聞いてくれるほうがありがたい。一方的にカラーコンタクトだと思い込み、他人に吹聴しインターネットに書く人のほうが嫌いである。ただ今回だけは目よりも肘を見てほしい感があった。その後の診察は丁寧で最高だった。ギターを弾くと伝えると、医者に「ゆずみたいな腕の動きですか」と聞かれた。

急いで京都駅へ。団体専用新幹線に間違えて乗ってしまい、修学旅行の引率の先生に出発寸前でホームへ押し出してもらう。助かった。駅員さんには「次のです!」と怒られる。下北沢に到着したのは17時過ぎ。リハーサルを終えたらすぐに本番だった。

朝起きたときは腕が上がらずピンチ感あったけれど、満員のお客さんの波動と、先進医療の力を借りて、最後まで無事に演奏することができた。新曲もたくさん披露することができてよかった。この2日間のために日々準備をしてきたので、無事に終えられて正直、ほっとしている。

夜は下北沢の秘密基地に一泊。翌朝は東京のお兄さん、ELEKIBASSの坂本さんと珉亭へ。人生の話をしながら、坂本さんと飲む瓶ビールはいつも美味しい。2日目のカバー&リクエスト編、初めての試みだったけれど、とても好評で手応えもあったので、次の季節にまたやってみたい。

2年前から下北沢leteで弾き語りワンマンを始めた。客席との距離がとても近く、何度ライブをしても丸裸にされる感じがある。上手くやろうとしても、最初の1曲で無駄なことに気づく。ごまかしがきかないのだ。心のなかを全裸にしないと成立しないような、いつも自分を試される場所である。終演後に店主・町野さんと人生の話をするのも大きな楽しみ。これからも節目には必ず、この場所で歌いたい。

shimokitazawa-lete
カバー編の曲目を載せておきます。

01 夏が終わる / スピッツ
02 玉突き / GREAT3
03 ランチ / くるり
04 悲しみの果て / エレファントカシマシ
05 頼りない天使 / フィッシュマンズ
06 Untitled / 初恋の嵐
07 いつものはなし(新曲) / 三浦コウジ
08 愛を語るより口づけをかわそう / WANDS
09 palette / sleepy.ab
10 水中メガネ / Chappie
11 LOVE / John Lennon
12 おだやかな暮らし / おおはた雄一
13 Hello My Friend / 松任谷由実
14 恋人はワイン色 / CHAGE & ASKA
15 すべて / シュリスペイロフ
16 ひかり / 三浦コウジ